この頃、モノが売れない。
かたずけコンサルのコンマリさんが、自前のTV番組を持つくらいだから、みんな家中に溢れるモノにみんな嫌気がさしているのかもしれない。
そもそも、ショッピングが快感なのは、すべて自分の思った通りになるから。努力は不要だ。お金を出すだけいい。綺麗なお店だと女王様扱いしてくれる。だからこそ、みんなみんなモノを買うことで快感を得ていた。
米ディーン&デルーカが破産のニュースを聞いて、時代は変わったなあ、と思った。
この店、元々、ファーストフードの時代に「上質なモノ」をスタイリッシュに提供することで、食べることを「ファッション」にした。
食のハイブランドとして、確実に頂点に居たと思う。
実際、トートバックやマグカップは、持ってるだけで「イケてる私」を演出できた。
シャネルやグッチが買えなくても、その10分の1で自己満足に浸ることができた。
でも、ここにある食材の値段はべらぼうに高かった。
安いものなんて何一つない。ただ、すべてが厳選されていたことは間違いない。
ニュースでは、不動産業に手を出して失敗したとある。それが、事実でもガセでも事実は変わらない。時代や人の変化についていけなかっただけの話しだ。
店に行かなくてもモノが買える時代に、厳選された高価な食材を誰に向かって売っていたのだろうか。
2人の設立者がソーホーで店を始めた時、ひとつひとつの商品にこだわったはずだ。でも、それが事業化され拡大してゆけば「売りたいモノ」を売るのではなく「売れるモノ」を売ることにシフトせざるえなかったのだろう。
そして、その値付けには「時代の変化」が加味されていたとは思えない。
食のハイブランドであるからこそ、値段を下げる選択枝はなかったのだろう。
コロナ禍でたしかに影響はあるはずだ。でも、昨年から店を閉めていたのだから経営不振が続いていなければそんなことはしない。
負債が550億円というのだからかなりの納入業者が代金を回収できないことになると考えられる。彼らは今後、どうするんだろうか。
それで、思い出したことがある。
あるランジェリー会社が倒産した。給与が出なかったらしく、社員は倉庫から商品のランジェリーに使っていたレースや生地をこっそり持ち出した。それを、とある商店街の空き店舗を1週間借りて売り払った。そこで売っていたレースをほとんど買い占めたのは私だ。
倒産した会社はニュースになる。でも、その陰に沢山の人の人生が関わっているのだ。良い悪いではなく、生き延びるためにみんな必死だ。
消える会社があるから、また、新しく生まれる会社がある。人もモノも変化してゆく。
それを受け入れなければ、前には進めない。
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